残された彼女と、そしてあたし。 向こうはあたしの存在に気付いてないからあれだけど、……気まずい。 生まれて初めて、あっくんの彼女を見た。一言で言うと「綺麗」が当てはまる女性。 あっくんが惚れるのも無理ない。 「……ねぇ、そこで隠し聞きしてた君。降りてきてよ~」 不意に後ろを振り返り、一直線であたしの方を睨み付けてくる。 え……っ、もしかして気づかれてる…? 「隠れたって無駄だよ~。早く降りておいで?」 観念して、仕方無く下に降りていくことに。