♪~ピリリリリッ


突然鳴る携帯の音にさえ驚いてしまう。…こんな時間に誰?



ディスプレイを見ると「蓮池陽」と表示されている。少し間を置いて、ゆっくりと通話ボタンを押した。


「…もしもし」

「美陽?今大丈夫か?」



「何が?」


話が見えなかった。あっくんが何を言いたいのか、何のために電話してきたのか全くわからない。



「いや、何でもない。母さんがさ、美陽に会いたいって言うからさ。…今度遊びに来いよ?」


「あ…うん。じゃあさ、今度行かせてもらうよ」