昼休みになってかすみの机と自分の机を向かい合わせにくつっけた。
昼休みは教室でかすみと一緒にお弁当を食べる約束をしたから。
「紅香は彼氏サンの唯人くんとお弁当を食べないんですかーぁ?」
かすみは卵焼きを箸でつつきながら聞いた。
仮の彼氏だもん。
一緒にお弁当を食べることはないと思う。
【仮の彼氏】だもん…。
【彼女】という言葉だけの関係。
【彼氏】という上辺だけの関係。
「今日は…お友達と食べるんだと思うよっ!」
「そうなの?照れ屋さんなんだね♪」
屋上に行くと、たまに会って話していくだけ…。
分かってるから。
なんでこういうこと思うようになったんだろう……。
偽りの彼氏ってゆーのが気に入らないだけ?
「紅香ーっ!唯人くん呼んでるよ!」
…っえ!?
唯人くん!?
「良かったぢゃん♪行ってきなよ」
かすみはなぜか嬉しそうにあたしの背中をぐいぐい押す。
教室のドアを見ると唯人くんの姿。
ぱちり、と目が合った。
うう~っ///目、合ったぁ(照)
どこまでも美少年だなぁ。
しみじみ思っていると唯人くんは手でこいこい、と招く。
まだ巾着の中に入ってるお弁当を手に唯人くんの前に立った。
後ろの方からちくちくと好奇と嫉妬が混じった視線を浴びる。
そりゃそうだよねぇ…。
美少年顔でモテるってかすみが言ってたもんねぇ。
なんて考えてると、腕がぐいっと引っ張られた。
「何、突っ立ってんの?行くよっ!」
「ひゃっ!?」