「んー、暑いね?タク…」

「そーだな」


どうかしたんだろうか?

無表情で表情がない。

あたし、なんかした?

「タク?機嫌悪いの?」

一応聞いてみた。

機嫌悪いのほっといてたら、もっと悪くなったから。

この前のことで学んだ。


タクはめんどくさい男だって……。

「紅香、今日俺の部屋、寄らないか?」

「え……うん」


本当になんなんだ。

別れ話なら二つ言葉でOKだよ。

別れ話だと…いいな。


この束縛の嫉妬心丸出しなめんどくさい男から離れたい。

いちいちフォローがめんどくさい。


タクの部屋へと着くと、急に肩を押されて
ベッドに押し倒された。

あたしの体にまたがって、覆い被さってきた。

「え…!?何するの?」

「なぁ…、アイツのこと好きなのか?」

「は……アイツって?」

「屋上で会った男だよ」


屋上で会った男…。

唯人くんだ!

「なんで?好きぢゃないよ」

「ぢゃあなんで二人で会ってたんだよ」