本物の愛


それからチャイムが鳴ったので授業に戻った。


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午前の授業が終わり、お昼時間となった。


「紅香ー、お昼ご飯一緒に食べる?」

かすみがお弁当を持って来た。

「え?…」

「紅香っ!!」


あたしが話そうとした瞬間、唯人の声で遮られた。

唯人があたしの教室まで迎えに来た。


「ごめん!今日も唯人と食べる」

あたしは申し訳なさそうにかすみに言うと。

「うん!分かった!ぢゃあかすみは彼氏と食べてくるね♪」

そう言ってくれた。

かすみは彼氏よりあたしを優先してくれる。

それがなんだか申し訳なくて。


「あっ、紅香!唯人君にあの件言っといてね?」

いきなりかすみに呼び止められて。

振り返って頷いてみせた。

それからお弁当を持って唯人の所へ行った。

最近、お昼ご飯は毎日唯人と食べてる。

なんだかほぼ毎日迎えに来てくれる。


「紅香、あの件って何?」

首を傾けてきょとんとしている。

「あとで言うよ」


唯人は納得したみたいで頷いた。

唯人と二人で屋上へ向かった。