海の果てに-君は海賊-




…わからないのだ。



ここは何処なのか。
あたしが何故ここにきたのか。



わかることと言えばここで目が覚める前、階段から落ちていたことと…視界いっぱいに海が広がっていたこと。



………………



リ「わからない、の……」



あ、ヤバい…泣きそう…



なんであたしは、ここにいるんだろう…



ふわっ…頭に置かれた優しく大きい手。



リ「え……」



驚いて真っ赤になった目で見上げてみれば、頭に手を置いているその人は口角を微妙に上げて笑っていた。



ガ「お前、名前は?」



リ「リウ。…リウです…」



ガ「そうか。リウ、何でもいい話せ。わかることでいいからよ。少しでも多く話せ」



優しい目、優しい顔。あたしを包んでくれるような優しい手に安心したのかあたしの目から涙が落ちる。