海の果てに-君は海賊-




人をこういう風に背負うなんて、久しぶりだな…



俺の背中で身体を預けながらムニャムニャと眠るリウ。その子供みたいな寝顔に思わず頬が緩んだ。



……ちっせぇ、身体してんなァ………



俺の腕にすっぽりおさまってしまうリウに、ギュッと力をいれてみる。



なんでこんなに…俺はコイツに執着してんだ?



この約1週間、俺はずっとコイツの傍にいた気がする。



………空から墜ちてきたコイツに羽が見えた気がして目が離せなかった。



…なんて馬鹿みてぇなことを考えながら、俺は確実に船へと歩み進める。



頭上に広がる満天の星空に明日は晴れるな…なんて、顔を綻ばしながら、やっと辿りついた船に足をかけ……



ロ「ガリュウ?(黒笑」



………ッ、やべっ…



ロ「俺…明日にしよう、って言わなかった?」



船へ入る手前、目の前には仁王立ちのロク。



ブワッと全身の毛穴から冷や汗が出たような感覚が…俺に襲いかかってきた。