海の果てに-君は海賊-




単なる偶然に決まっている。



でも、そう思えないのは何故だろう。



ガ「…リウ?」



ガリュウが動かないあたしに不思議そうに問う。



あたしはそんなガリュウの問いかけに応じる余裕すらない。頭が混乱している。



あたしの母は…今から約10年前、



あたしの前から姿を消した。



なんの、前触れもなく。



………そう、



突然に。



コツンと姿を消した。



世に言う行方不明。



リ「あの…」



あたしがそう言えば、お婆ちゃんが不思議そうに顔をあげた。



リ「ミツ…とは、どんな人ですか?」



気づけばあたしはそんなことを言っている。



なにも、望みはないのに



この世界で母に繋がる手がかりなどあるはずはないのに。