あたしがお婆ちゃんの横を通り過ぎた時だった。
リ「ッ?!」
グイッとなにかに勢いよく腕を引かれる。
その正体は先程のお婆ちゃん。
オ「ミツ…さん?!」
…………え?
血相を変えて勢いよく言うお婆ちゃん。あたしの姿を改めて見ると申し訳なさそうに口をへの字にしていた。
オ「…ごめんなさい。人違いのようだ」
…普通なら、この時この場から去るだろう。
しかし、あたしは動かない。否、動けない。
…だって、だって…
先程、お婆ちゃんが口にした名前は…
リ「…お母さんの」
あたしの
母の名前だった…
メニュー