…数分後
ロクに色んな意味で完敗したガリュウは、不機嫌そうに舌打ちをしながらあたしの元に向かってきた。
リ「……お、お疲れ様でーす…」
遠慮がちにそう言うあたしに、ガリュウは「あぁ」とだけ返しあたしの横に腰をかけている。
リ「…………ぇ」
…何故、あたしの横に来るんだよ
島があまりにも綺麗でしばらく見とれていたあたし。そんなあたしの元に不機嫌なガリュウが近づいてきたと思えば、今度はあたしの横に腰をかけはじめた。
ガ「…いちいち堅いんだよ、ロクは」
そう、悪態をつくガリュウに、あたしは反論しなければいけないんだろうけど、あたしには反論はできない。
…だって、島行きたかったし。
楽しみにしてた分だけ、損した気分だ。
リ「……島、綺麗だね」
なんとなく、気持ちが沈んで声色も元気がなくなってしまう。
そんなあたしに気づいたガリュウは、あたしを見てニィッと笑うと、とんでもないことを言い出した。
ガ「…行くか。抜けちまうか、船」

