急に寝返ったせいで左手がちょうど胸の上にある。

さっと離してもわざとらしいし、
かといってムニュっとしちゃうのもおかしい。

位置が位置である。

私はそれをしばらく動かさなかった。

そっと胸の上に置き続けている。

頭の中では揉んでしまおうかはっきりいって迷っている。

そこにあるのは柔らかい衣服をまとった肉なのだ。

1つボタンを外せば生肉をはっきりと揉んでしまうことができる。

肺で息をしている鼓動が伝わってくると同時に
胸の柔らかさまで伝わってくるようだった。

ふとバックミラーを覗いた。

運転手からはこちらは見えなかった。

バックミラーは全く方向違い方へ向けられていた。

こちらをバックミラーで見えないということは
後ろを振り替えなければならないということだ。

ちょっと安心した。

さて運転手から死角となってこちらを見れない。

右手は髪の毛を撫でている。

左手は胸のふくらみの上に置いている。

見れば見るほどユキは無防備だった。

きっとこれは何かの合図かもしれない。

きっとそうだ。

そうに違いないと確信した。

何かをしないといけないのだと思った。

何かをユキはしてほしいと思っているはずだ。

無防備な美しい肉体が転がっている。

そんなふうに感じた。

だとするとすることは決まっている。