「頼む!適当になんか喋ればいいから!」
私がそう頼むと、種香は渋々携帯に耳をあて、
「…今、代わりました」
「おせぇ!!」
少し離れた私にも聞こえたってことは、種香の耳、相当痛いだろうな。
すまない、種香…。
「アルトくんに、なんて言ったの?」
頬杖をつきながら、ミヤ姉が面白そうに尋ねる。
「私に話し掛けてきた、おかしい奴がいるって」
「……それね」
なんだかわからないけど、なんか納得された。
「……なにが」
「教えなーい」
クスクスと笑うミヤ姉。
私は口を尖らせ、ケーキを頬張る。
「……あれ、種香は?」
いつの間にか、種香がいなかった。


