白い薔薇



『はいはい』


『はいはいとはなんだ!いいから、今すぐ!』


ため息を吐きながら、渋々中に入る。


「もう終わったの?」


ミヤ姉に聞かれ、ふるふると首を振り、携帯を種香に渡す。


「は?」


「アルトが、代われって」


「…は?」


ポカン、と口を開ける種香。


まぁ、普通の反応だな。


「いや、お前の話をしたら、代われって」


「え。まず、俺イタリア語喋れない……」


あぁ、それなら……。


「大丈夫。アルトは、日本語も喋れるから」


幹部の皆は、私のために日本語を父さんからの命令で覚えさせられた。


母国の言葉で、誰かと喋れるように、と父さんが気を遣ってくれたのだ。