白い薔薇



ヴーヴー ヴーヴー


「…ん?」


「夏輝、貴女じゃない?」


ミヤ姉にそう言われ、ポケットの中を探れば、確かに私の携帯だった。


「げ」


「誰?」


こ、こいつは……。


「アルトだ」


「あぁ、アルトくん?久しぶりね」


電話の相手は、父さんの幹部である、アルト。


こいつ、確かに今年で20歳…だったかそこらで、小さい頃からよく世話になってた。


「出ないの?」


う。


だ、だって……。


「アルトに、知らせないでこっち来ちゃったから……」


「馬鹿ね。それこそ早く出ないと、怒鳴られるわよ」


うあ…。


勇気を振り絞り、未だに鳴り続ける携帯を見つめ、電話に出た。