この学校は寮だから、食堂は勿論あるんだが…。
俺が好きなメニューがあまりない。
つーわけで。
悠紀斗と別れ、外に出ることにした。
外出届?
んなもん、俺には存在しない。
わざわざ面倒くさいだろ。
俺は校舎裏から、音をたてないようにソッと学校を出た。
「へっ。ちょろいもんだぜ」
ここまで来れば、もう安心だな。
…腹が減って、何か食いたい。
食いたいのはいいんだが……。
「そういや俺、今金欠なんだった……」
財布の中を見てみれば、百円玉が三枚と、十円玉が六枚。
とまぁ、悲惨な結果になっていた。
これじゃ、ファミレスにも行けない。
「…………仕方ない」


