「お、紗耶香。来てくれたのか」


あれからルイは結局病院に入院することになった。腕は折れていたらしい。


あたしはあの日カイとは何も無かった。
あっちゃいけないんだ。
アタシには、サクがいる。


「はい、花買ってきた」

「気が利くじゃん。それ、そこにお袋が持ってきた花瓶あるからそれに飾っといて」

ルイは花瓶を指差した。

「はいはい」


アタシは花を花瓶に生けはじめる。


「なぁ、紗耶香」


「ん?」


アタシが振り向くとルイはアタシをじっと見つめた。


「カイさんとは別れたんだよな」