*銀狼-ギンロウ-*

「あ、先客だ」


アタシが一人で屋上でお弁当を食べてると男の子がやって来た。


「あ、どうぞ。アタシもう帰るんで」


アタシは立ち上がった。


「いやいや。悪いよ。じゃあ、ご一緒させていただこうかな」


男の子はアタシの隣に座った。


…なんだこのヒト。


「あっ、俺、2年の桜井!みんなからはサクって呼ばれてるからアンタも呼んで」


…人なつっこそうな笑顔。
アタシには眩しい。


「サク…」


「うん。で、アンタは?」



「アタシも2年。環紗耶香」


「紗耶香ね!」