アタシとカイがふたりでバイクに乗って溜まり場に到着すると、辺りが静かになった。

みんながアタシたちを見つめている。


「紗耶香!」


その沈黙を破ったのはルイ。
心配そうにアタシに駆け寄る。


「紗耶香とカイさん、何で…」


“セフレです”
って言ったらどうなるかな。

カラダだけの関係って言ったら。


ルイは心配するかな。


「えっと…」

何て言ったらいいのか分からない。
でもアタシの答えをここにいる誰もが待っているのは明らかだった。


「…俺の女だ」


そのとき、カイがはっきりと言った。