「…カイ」 いつの間にか俺の隣には紗耶香が座っていた。 真っ暗な病院の待合廊下。 2人だけが座っていた。 「…リナは?」 「まだ集中治療室だよ」 「…そっか」 紗耶香は化粧が涙で落ちていて、ぐしゃぐしゃだった。 「…ごめんな紗耶香。俺のせいでこんなことになっちまって」 「…カイのせいじゃないよ」 紗耶香は俺の手を握りしめた。 「カイのせいじゃないよ…」