*銀狼-ギンロウ-*

「…好きだったの…うっ、う」

リナの嗚咽の音。

「あなたにこんなこと言うのはおかしいよね。でもどうしようもなく寂しいときがあって」

リナ。


カイ。
お前はどんな奴だったんだろう。


「好きになりかけてた。でも“カイ”がいなくなって気付いた。好きだって」


いなくなって気付くこと。
いなくなってそいつがどんなに大きな存在だったか。


「ねぇ、私はどうしたらいいのかな?このまま“カイ”のこと忘れなきゃいけないのかな」