「なにが?カイは謝るようなこと、何にもしてないよっ!」 バイクに乗っているから紗耶香の顔は見えない。 どういう表情で言っているのか気になったが敢えて何も言わなかった。 …全力で守るから、俺が。 「で。どこ行くのよっ」 「ん~。俺はどこでもいい」 「どこでもいいっつーのが一番困るのよね」 「…じゃあ映画」 「映画?いいねっ!決まり!」 普通のデートをしてみたかったんだ。 普通の恋人たちがしているように。