ジーンズの後ろポケットの財布を開き 中身の残高を知っているにもかかわらず
確認してはため息をつく。

冷蔵庫も同じである。 何もないのに開けてしまい よく妻にしかられるのだ。



現状残高¥320。わびしすぎる。。。

俺といった男はヘヴィとは行かないが煙草が大好きだ。

そしてその相方にコーヒーが大好きなのだ。

 
 「ラッキーストライク」”しあわせよ!ど真ん中に!!”そう解釈している。


ふん。。皮肉なもんだな。。


上着のポケットから煙草を取り出す。?おやおや・・・ラス1かよ。。。(ラスト1本)


これに火をつけてしまえば 必ずコーヒーが欲しくなる。

コーヒーを買えば残金¥200。

ラッキーストライクは¥320・・・コーヒーが買えない。

そうだ!¥180のエコーがあるではないか!そうすればどちらも楽しめる!
このさい煙が出れば何だっていい。


煙草とコーヒーの自販機が並ぶ2メートル程の距離を行き来する俺は
まるで変態そのものである。


そんな欲望の大戦争の終戦後 営業しているのか解らないほど 正に錆びれた電気屋のショウウィンドウに置かれた1台の薄型TVから聞こえる男の声が耳に入る。


TVの男「・・・そぉうなんですよぉ!でね?他にもぉ!この左手の人差し指の付け根      に・・・」


何やら手相の話をしているらしい。

「ふんっ」俺は鼻で笑ってやる。

宝くじも ロトくじも トトくじも買ったさ。それで人生左右されるなら今俺はこんな錆びれた商店街のど真ん中で煙草を買うかコーヒーを買うかなんて小さなひもじい大戦争なんて起こしてないだろう 見てみろ真っ白な真昼の月が見下したように笑ってら・・・。



ざわめく商店街の中 強がったものの 耳はTVに向いている。