4月から5月に移り変わり、新しいクラスメートとも仲良くなってきた。

俺の高校では、毎年新入生歓迎バレーボール大会が行われる。
学年ごとに優勝を決めて、一年から三年で、一位、二位、三位を決めるというルールだ。


俺のクラスでも、放課後、中庭を利用してのバレー練習が行われていた。

バレー部の俺とスポーツ万能のさとしが率先して練習する人を募り、戯れながらトスやらレシーブやらを繰り返していた。

「食らえ、桜子!」
円を描いた輪の向かい側にいる桜子に向かって、俺はイジワルにスパイクをやや弱めにうちこんだ。

「きゃー!」
ボールの勢いにびびったのか、桜子が叫びながら、ボールをよけた。

「もぅ!」
桜子は笑いながら、花壇の向こう側にいってしまったボールを追いかけていった。

「ちょっと休憩しよっか」
隣にいたさとしが笑いながら、輪にいたみんなに提案した。