高校二年の春だった。

一年生の頃から大学進学を目指した高校に通っていた。

先生を筆頭に勉強第一の、いわゆる真面目を売りにしている進学校だった。


4月、二年になって初登校の日。

学年掲示板にはクラス名簿が張り出されていた。

「おぉ〜!一緒じゃん!」
「きゃ〜!良かった〜!」
掲示板を前に色々な歓声が沸き上がっている。


類にも洩れず、俺も掲示板を見て、喜びの声をあげていた。


「さとし、今年も一緒じゃん!よろしくな〜!」
隣にいたさとしに向かって、俺は笑顔で話しかけた。

「おぅ!よろしく!」
さとしも俺に向かって笑いかけた。

「それにしても男、あまり知らない奴ばっかだな」
俺は眉間にシワを寄せ、口はゆるんだまま、さとしに意見を求めた。

「だな。同じバスケ部の奴らは2人一緒だけどな」


俺の高校は理数科、国際英語科、それぞれ4クラス。
俺とさとしが在籍している国際英語科は男子が全部で40名、女子は120名。
一クラスあたり、女子30名に対して男子は10名しかいない。


部活くらいしか隣クラスの男子接する機会がないため、今年のクラスで友達と呼べるのは、さとしくらいだった。
あいにく、俺はバレー部で、国際英語科にはバレー部は俺しかいなかった。さとしは同じバスケ部の奴と同じクラスになれたようだ。