三十分がたった。




簡潔に言おう。





ない。






なにも。







隠し扉とかスイッチとかないし。





なんなんだ。
ちくしょう。
つかれたわ。





「疲れた……」


「頑張れ。」




桐谷さん、体力なさそうなのに……



涼しい顔してやがるぜチキショウ。




なんて、
汚い言葉を心の中で言っていた。




「あるのかな~本当に。とゆーかこの屋敷全部が怪し……っぉう!!」



足がもつれ、こける寸前。



「ど、とっとっ……」



転けるか持ち直すかバランスを取っていた。



とゆーか助けてよ!桐谷さん!?



「ととと……ハァッ!!」



本棚に手をついて、バランスを持ち直した。



勝った…!
←何に?




「ん?」



ーガコッ



音がして、
本が後ろに行く。



バランスをなくした私は……



「ん、ギャッ!!」



本棚に突撃!!



「いたたぁ……」



鼻を押さえていたら……



ーゴゴゴゴゴゴ……




なんて音がして、




「へ……」




本棚が動き、
隠し通路が現れた……