「…別に怪しい所、ないですね。」
「そうだな。」
とりあえず、ドアを閉めた。
部屋は洋書などの本が並べられていて、あまり掃除をしていないのかホコリがたまっていた。
「ホコリっぽいな……」
桐谷さんが顔を歪ます。
確かに、
ホコリっぽい。
この部屋には窓もないから換気もできないし……
その時、フワリと風を感じた。
………?
「桐谷さん…」
「何だ?」
桐谷さんも私も動いていなかった。
いまだ感じる風。
「もしかして…」
桐谷さんも気づいたようだ。
この部屋には窓がない。もちろん、ドアも閉めている。
風が入る事はない。
だとしたら考えられるのは……
窓やドア以外の、外に通じるものー……