屋敷の廊下を歩く。メイドの望月仁子さんは、おとなしそうな、だけど少し上品な雰囲気がある。 「この屋敷には今、何人の人間がいるのですか?」 桐谷さんが聞く。 「今、この屋敷には私達を抜かし、四人いらっしゃいます。」 執事さんが答える。 執事さんの名前は席和夫(セキカズオ)と言う。 「席さんと望月さん以外にここ、使用人は?」 今度の質問は向井さん。 「おりません。私達二人です。」