「お前、夏休み予定ある?」


「へ?」



唐突に聞かれたからびっくりした。
私の学校はあと3日で夏休み。
けど、私はバイトだし、友達も部活や彼氏と……って言ってたから、特に遊ぶ予定はない。



「ないですね。」


「そ。じゃぁ夏休みに依頼を頼まれたから準備しといて。」


「何をですか?」


「泊まる準備」



は?
あんだって?



「事件の依頼人が地方でな、最初は断ったが解決してほしいっつーから。泊まり込みの調査だ」



はぁ……
理解はできた。
理解はできたが……



「納得できるかい!」

「しろ。」



ーズル
『しろ。』てあんた……



「コレ読めば、少しは納得すんだろ。」



と、桐谷さんが取り出したのは便せんだった。



いつのまにか復活を遂げた向井さんが私の後ろで屈んでいた。



私は桐谷さんからその便せんを受け取って、中身を見た。



紙は二枚。
一枚はなにかの地図。
もう一枚は手紙だった。