「眠っているだけど、体力消耗してそう」

「……記録がない理由はこれか」

記録があったら止めるだろう。

「次の聖域に行く前には前王陛下に会おう。シューに話はつけてある」
「そうだね。毎回これだとね」

ナイトドレスを着せられたユズは静かに寝息を立てていた。その寝顔はいつもと変わらない。目が覚めたのは2日後だったことを除いて

「……ず」
喉が酷く乾く。頭も瞼も重い。思い瞼を何とか開けるとジェシーさんの顔があった

「ユズちゃん?目が覚めた?」
なんだろう。ホッとしたような表情だ

「水だね。喉乾いているだろうけど、少しずつ、ゆっくりね」
背中を支え起こしてくれて、少しずつ飲ませてくれた

「ここ?」
見覚えはある。でも、最後の記憶は洞窟の前だ
「太陽の森近くの離宮。ユズちゃん2日も眠ってたんだよ。今朝からまた熱も出てきたし。ゆっくり休んで体力を戻す。今度は我儘は聞かないからね」

ジェシーさんは真面目な顔だ。2日間か。
え?そんなの私が読んだリリア国シリーズにはなかった。聖域はあと3つ。
これが続くのか……でも決めたからにはやるしかない。グランマ、こんな大事なことは書いておいてよね