チッ。舌打ちの音が聞こえたと思うと耳元でまた聞きなれない言葉。


恐る恐る空を見ると何だかよくわからない生き物が火を噴いている。


こ、怖い。


「大人しくしていればそのうち諦めるから」


そのうちっていつですか……


すごく距離が近い。吐息がかかるくらい。


しばらくすると謎の生き物は遠くの空へと消えていった。


「怪我ないか?」


確かめるように聞かれる。


「大丈夫です。すいませんでした」


勝手な行動をした自分のせい。この人はあのセクハラ王子を守るのが仕事なのに。


「いや。そろそろ戻ろう。ここは危ないし」


「はい」

シューたちの元へ戻るとすでに全員が出発の用意を整えていた。


「レイ。大丈夫だった?ロンが出たみたいだけど」


「ああ」


ルージュに乗り、二人の後をついて行く。


段々景色が変っていった。緑よりも住居と見られる建物が多くなっていく。