野球バカ




昨日と同じ道を、昨日と同じぐらいの時間に歩いている。
昨日みたいに疲れていて、昨日みたいに空は暗くなりかけていた。


ただ昨日と違うのはアタシの隣にアイツがいないこと。



「志村さーん?」


地面ばかり見ていたアタシの視界に右手がヒラヒラ揺れる。


「うつむいてるけど… 大丈夫?」

「ー…うん。」


大丈夫?

ぜんぜん違うよ。


さっきまでスッキリしていた心はモヤモヤしていて、足が重くカンジるんだ。



「・・・マネのコトで悩んでるの?」


マネのコト?

悩んでいる?



アタシ・・・
何考えてた?



あぁ・・・、



アイツのコトだ・・・