はつ恋

亜子は何も私には話さない。

この前は仲良くしてたかと思うと、今日はなんだか二人の様子がおかしい。


光太は常に担任の足立を意識している。


足立の亜子に話す時の顔、私たちに話す時と違うように思える。


愛しい人を見るような目。光太が亜子を見ているような目だと思う。


足立は亜子が好きなのではないか?と思う。


それに光太は気付いているのではないか?


今日の光太は笑っていても、何処か違って見えた。


私には分かる光太の切ない思いが。


亜子に届かない思い。それは光太に届かない私の思いと同じだ。