はつ恋

光太が来る時間だ。私は玄関を開けた。「光太おはよう。」


「亜子いくぞ。」私の手を握る。


「光太話しがあるの!歩きながら聞いてほしい。」


光太は返事をしない。


「光太お願いがだから聞いて。」


「俺は今のままでいい、俺はどんな事になっても亜子といる。」


光太は私を引っ張って歩く。手が痛いでも私は必死に歩いた。


「光太笑ってないよ。光太私といるとつらそうな顔してる。」


「それでもいいから。」


「駄目だよそんなの。私分かったの。光太が私を失うのが怖いと言ったけど、私が光太を失う事が怖かった。」


「だからねもう光太自分を犠牲にしないで、光太には自由に生きてほしい。今まで甘えてばかりでごめん。」


光太は何も言わないまま、私の手を離す事なく学校へ向かった。