しばらくすると亜子が、「光太うるさいよ。」と部屋のドアを開けてくれた。



亜子は背中を向けたまま「光太のバカアイスとけちゃうじゃん。」鼻声で言った。



「亜子一緒にアイス食べよ。」


俺は亜子の反対側に回りアイスを渡した。



亜子の顔は真っ赤に腫れていた。



でも俺はそれは見なかった事にした。幼かった俺の精一杯の優しさだったんだ。


亜子は鼻水をすすりながらアイスを食べている。



そんな亜子が可愛くて仕方ないなかった。



多分これが俺の初恋だったんだと思う。



小さな俺だったけど、これからも俺がずっと亜子を守って行くと決めた。



亜子に何があったかなんて聞かない。聞いちゃいけない気がしたんだ。