「待たしてごめんね。」

「そんなに待ってないよ。まだ4分じゃん。あんたどんだけ着替えるの早いのよ。」

今日はスカートだから早かったんだと
言おうか迷ったけど結局やめた。

「てか見て!悠くんがくれた〜!」

鞄からケーキバイキングの無料券を取り出し
由佳の目の前でひらひらさせた

「ケーキ!?やったー!!!早く行こ!」

由佳はあたしの営業スマイルよりも
10倍ぐらいキラキラの笑顔で
立ち上がりあたしの腕を引っ張った

由佳はすごく美人だ。
クールビューティーって感じの美人だ
そんな由佳の子供みたいな笑顔は
女の、友達の、
あたしでもキュンキュンする。
別にあたしにそんな気はない。
ただちょっと羨ましいとは思う





そんな由佳に引っ張られつつ
あたし達はケーキ屋に着いた。
悠くんがくれた無料券は1人分なので
半額分だけ払って、食べ放題だった。


由佳は悠くんと張るくらい
甘いものが大好きだ。

あたしがチョコとショートとチーズの
3個だけを取り敢えず取って
コーヒーを入れて戻ると、
由佳は名前もよく分からない
珍しいケーキを皿いっぱいに盛り
嬉しそうに食べていた。


「桜!あんたやる気あるの?バイキングだよ!?食べ放題だよ!?時間との戦いだよ!?そんなコーヒーばっか飲んでたら、病気になるよ。」


「あなたには言われたくありません。」


糖分とカフェインだったら
絶対糖分の方がやばいでしょ。
しかもあたしはコーヒーは
毎食後に1〜2杯飲むくらいだから
そんなに〜まぁ飲んでるか。