携帯のアラームで飛び起きて

急いで顔を洗って制服を着た後
今日は冬休みだって気付いた。

「ベタかあたしは。」

思わず独り言を言いながら着替え直し
朝ご飯の食パンをトースターに入れた。


うちは小さい頃からずっと
朝はパン派だった。
あたしとお母さんは別に
和食でも大丈夫だったけど
悠くんが変にこだわっていた。
朝は甘いパンが食べたいらしい。

焼きあがったトーストに
マーガリンと1枚にだけ
ジャムをいっぱい塗った。

あとはインスタントの
コーヒーとココアを作って
朝ごはんが出来上がった頃に
悠くんが着替えを済まして
キッチンに入ってきた。

「おはよ~。良い匂いがする~」

「おはよ~。卵焼きとかいる?」

バイトは9時からでまだ時間があるので
ちょっと悠くんに気を使ってみた。

「マジで!焼いて~。甘い系にしてね。」

「りょーかい。」

手早く作って出したら
悠くんは美味しそうに食べた。

「朝から娘が焼いた卵焼きが食べれるなんて、幸せだな~」

「大げさだよ。」

あたしはちょっと呆れ顔で言いつつ
1切れ食べてみたけど、甘すぎだった

「ホントに悠くんは甘党だね。」

ある意味尊敬するよ。
コーヒーを飲みながらあたしは言った。








「ごちそうさま~」

お皿を流しに置いて、
携帯を見ながら悠くんが言った

「洗いもの任せてい~?俺もう行くよ。」

「うん!行ってらっしゃーい。」


「行ってきまーす。」

ちょっと慌てて悠くんが出て行ったあと
すぐにお皿を洗って、あたしも家を出た。