「ごめんごめん。」
少したってあたしが2杯目を食べ始めた時
悠くんが戻ってきた。
「あれ?待っててくれたの?」
あたしのお皿の減りを見て悠くんが言った
「まさか。これ2杯目だよ。」
「だよね。やっぱ食べるの早いね〜」
「悠くんの電話が長かったんです〜」
少し冷めたカレーを食べ始めた悠くんに
あたしはむきになって言い返した。
「てか美味いね今日のカレー。辛くない」
「そう?ルー変えたからかな。てか話逸らすなよ!」
「え?」
悠くんは何の話?って顔をした
「電話だれ?」
何でも聞き過ぎるのもよくないと思ったけど
なんだかどうしても気になった。
「あぁ。大学でお世話になってた先生。なんか今こっちに来てるから、明日一緒にご飯食べないかって。」
やっぱりあたしの嫌な予感は当たらない。
「へぇー。じゃーあたしも明日は友達とご飯食べてくるよ。」
「そう?あ、ついでにこれも行かない?患者さんに貰ったんだけど、俺行く時間ないからさ〜。」
悠くんはそう言って財布から
ケーキバイキングの無料券を
ちょっと残念そうに差し出した
「ありがとう。由佳が喜ぶよ」
「えっご飯って由佳ちゃんと行くのか!淳によろしくって言っといて。」
「りょーかい」
淳とは悠くんの友達。
電気屋で働いてる気さくなおっさんで
由佳のお父さん。
あたしと由佳は中3のクリスマスに
うちであった。その時からの仲良しで
今は同じ学校で同じクラス。
悠くんに負けないくらいの甘党だ。
明日はバイトが終わってから
一緒に遊ぶ約束をしている。
