悠くんは仕事があるって言って
自分の部屋に行ったので
あたしは買った物を整理してから
夕飯を作り始めた。
今日のご飯はカレーだ。
あたしは辛党だけど
悠くんが食べれないので
うちのカレーは昔から甘口だ。
それでも悠くんは辛いって言うけど。
ちょうど出来上がった時に
悠くんがキッチンにやってきた。
「今日はカレー?」
「ちょうど出来たとこだよ。今入れるね。」
あたしは2人分のカレーと
先に作ってたサラダを机に並べた。
「ありがとう。いただきまーす」
そう言って悠くんが食べようとすると
携帯のバイブがなった。
「誰だよ〜」
お腹が空いていたのか
悠くんは不機嫌そうに
ポケットから携帯を取り出した。
だけどディスプレイを見て目の色が変わった
「もしもし。はい。いえ、お久しぶりです」
電話に出つつ、
悠くんはあたしにちょっとごめんって
目で訴えて部屋の方に話しにいった。
悠くんがあんな驚いた顔をするのも
あんなにかしこまった話し方をするのも
なんだか珍しかった。
今日はお母さんの命日だし
ちょっと嫌な予感がした。
