家に俺しかいない事がわかると、
紗夜さんは時々うちにきて料理とか掃除とかしてくれるようになった。
この時代の人が優しいのか
単に彼女が世話焼きなのかはわからない。
話す時間も長くなって
一緒に出かけることも増えた。
ふとした時に
よくつるんだ仲間とか
思い出すこともあったけど
ぶっちゃけ彼女といる方が落ち着くというか
楽しかったんだ。
彼女は俺をあっちゃんって呼んで、自分のことは紗夜でいいって言ってた。
どうせ戻れてもどうでもいい仲間とおふくろしかいないんだ。
だったら、別に戻れなくてもいいだろ。
そんな気さえしてきた。
