奇妙な世界へのススメ

史上最悪の日は突然だった。

学級代表のやつ、席替えするとか言いだしたんだ。

ミクと離れる?冗談じゃない。
つか他の奴とミクが話すなんて絶対嫌だ。

必死になって抗議したが、
俺の話なんて聞きゃしない。
どんなに騒いでも駄目だった。

「・・・ごめん。」
"んーん、頑張ってくれたもん。仕方ないよ"
"ミク、涼くんと会えて良かった。すごーく幸せだったよ!"
「お別れみたいに言うなよ・・・」
ミク、ほんとは泣いてる。
俺にはわかる。

「愛してるから泣くな・・・」
俺はぎゅっとミクを抱きしめた。
いつものほんのりとしたぬくもりが、なかった。

「・・・ミク?」

返事がない。
こんなこと1度だってなかった。

「ミク!!ミクってば!!!!」

無機質な冷たさ。
賭けの試合、明日だぞ。
俺が勝つ方に賭けてるんだろ?
応援、してくれるんだろ?

「なぁ・・・・頼むよ・・・・」

返事がくることは、もうなかった。