冷えた声。


ああ…昂汰の声だ…


ななせは脱力した体を、昂汰に向けた。


「ななせ・・・」


「…」


「…ななせ!」


昂汰はななせに駆け寄り、抱きついた。


ななせは全身に力を込める。


――・・・あれ?


苦しく、ない?


昂汰の抱きしめる力が、優しいってこと?