「ななせ!」



―――え?



昂汰じゃない、別の男の子の声がして、振り返った。



「き、吉良く・・・」



ぎゅっ



―――え


ええええええ!?


吉良くんが、私を抱きしめてる!?


吉良の温もりが、ななせに伝わる。


吉良の乱れた息が、ななせの首元にあたる。


「吉良くん!?」


「はぁ、はぁ・・・ごめんね。呼び捨てしちゃって・・・」


「べ、別にっ、呼び捨て、嬉しい…よ?」


い、言ったぁ!!