「ななせちゃん」

「?」

帰り道、一人でとぼとぼ帰っていると、


後ろから息切れしている吉良が追いかけてきた。


「き、吉良くん!?」

「しーっ!女の子達から逃げて来たんだw」


一緒に帰ろ♪

そう言われて、うんと返事をした。


吉良くん・・・


ななせは綺麗な彼の横顔を見つめながら…


「好きな人って誰?」


小さな声で言った。




――――――――――――――――――


「・・・え?」


ななせちゃん?


ななせはふと目を逸らした。


「あ、・・・いや・・・好きな人居るって言ってたから…
 吉良くんに好かれる人って、
 羨ましいなって・・・」


ふっと笑みが漏れる。


ななせちゃんは不思議な子だな。


他の女の子とは何か違う…