・・・あ、そもそも私昂汰の話してないんじゃない。


それなら昂汰の話が出てきた時点でおかしいよね。


そうだ。


―――今日の昂汰のことは忘れよう。


チク…


なんだろ、今の?


「ねぇ、ななせちゃんって、雲雀君知ってる?」


昂汰?


知ってるも何も、幼馴染で今日登校、途中まで一緒だったんだけど…?


「うん?幼馴染だけど・・・」


「うっそぉ!?え、あのね…」


紅葉が急にしおらしく、もじもじした。


――――あ


「昂汰のコト、好きなの?」


紅葉の顔が、リンゴのようにみるみると真っ赤になる。


あ、・・・わかりやすい…


ななせは思わずぷっと吹き出した。


「あ、あのね、秘密だよ?
 さっきぶつかって転びそうになった所を助けてもらったんだ///」


・・・へぇ。昂汰でも…そんなとこあるんだ。


どんどんななせの知らない昂汰の一面ばかり見えて来る。


「で、カッコいいなって////」

「紅葉が好きって言うなら、
 応援するね!」


チクン…


・・・なんだろ…


胸が痛い…