夢を見た。

とても辛く、悲しい夢を――――


ピピピッ!!


怖い夢なんて

もう何度も見てきたつもりだった。

でもあんなに悲しくて

辛い思いをした夢は初めてだ。


本当に夢で良かったと、現実に戻った
今、そう感じている。

メイがいない人生なんて

俺にはあり得ない事だから。


ふと横を見ると

すやすやと規則正しい寝息が聞こえてくる。

「おい、メイ起きろよ」

まだ夢の中であろう、気持ち良さそうに寝ている
その体を少し揺らしてみる。

早く起きたその体を抱きしめたい。

ここが現実だっていうことをちゃんと確かめたい。

「おいメイ」

さっきよりも強く揺すると


「んー意外といけるんですよ、食パンに納豆・・」

・・・どんな夢見てんだよ。

でも寝言と一緒に見れた笑顔でこれは現実なんだって
いう確信がもてた。

「仕方ねーな」

よしとするか。

頬に小さなキスを落としてから既に目覚めている
体を起こしベッドから降りる。

このまま起きなかったら俺が朝食当番だな