終止にこにこして、ひたすら質問を繰り返した。

人は自分が話すと気分が良くなるもので、お喋りが弾んだ相手には好印象を持つ。



荒井と京子はペアになりつつあるが、京子はアドレスを聞かない。

「合コンじゃなくって会えたら良かったな」と笑いながら言えば、荒井は荒井でアドレスが聞き辛い。


気があることを認識させて、けれどそれ以上は言わない。





2次会のカラオケを終えてばいばいをする。


松坂は男と消えていく。お持ち帰りと言う行為が悪いとは思わない。

そういう事を経験しないと分からないことだってはずだからだ。


けれど京子はいよいよ松坂と自分は違ってよかったと素直に思う。

その場限りだとか身体だけだとか、そう言った関係は要らないし望まない。




―――ときめきが欲しい。



1つの目標がある京子はにっこりと笑みを浮かべて、松坂の後姿から目を逸らした。