「あのさ、京子って、実はめちゃくちゃ男好きでしょ、

……ぶりっこでしょ、媚びてるでしょ、演技してるでしょ」


きっぱりと口にした。
京子を前に回りくどく行くのは違うと思ったからだ。


「うそー?何でー?びっくり、やばいね、じゃあホストクラブ通おうかな?えへへ」

へにゃりと笑い、同意を求めるようにこちらを見る京子。


「うっとーしいんだ、そういうの。白々しい。

作んなよ、素になって答えてよ!!」

きつい眼差しを向ける香織に京子は気落ちした。

完璧だったはずが、ばれていたなんて―――心外だ。


だから京子は言った。

「えぇ、私演技派扱いなんだ?!レッドカード歩いちゃう感じ?あはは」

本当に何のことか分からない、と言ったように笑う。


そう、ここでも演じれば良い。
自分は本当に“素”なのだと。