逆に自分はどうなのか、と。 本当に可愛いらしい演技をしていないと言い張れるのか、と。 聞かれたら、香織は「ある」と答えるしかない。 限度のあるぶりっこならば、あたたかく見守ってやるのも良いではないか、と。 なぜなら、本当の敵は 京子のような一見穏やかで人の良さそうな女なのだから。 目に見えないぶりっこの存在が一番厄介だ――――