結局、男は自分の為に努力する女がすきなのだ。


ぶりっこは努力だ。


京子は胸を張って自分は努力家だと言える。


ちょっとでも好きになって欲しいから、ちょっとでも可愛いと思って欲しいから。

そんな気持ちが声を高くさせて、首を傾かせて、スタイルの良さをアピールさせたりオーバーリアクションをさせたりする。


偽りだと言われるかもしれない。

本当の自分ではないとバカにされるかもしれない。


けれど、少なくとも森山は知っているのだ。

自分の前でだけはブリッコをしたい女が自分の彼女だ、と。



例えばケーキが嫌いなのに、可愛い子で居たいから美味しいと言う。

ウソツキかもしれないが、それだって相手を想うからこそなのだ。

それに森山は自分が森山に好かれたくてそうしていることを十分知っている。


ならば、それは本当の自分を知っていると言えるのではないだろうか。



京子はそう思う。