「麻美も香奈もありがとう~私お腹いっぱいだよ、美味しい!!」

男の前で褒めてやる。それは褒められた2人と共に京子にとっても結構な好感度アップになるものだ。


なぜなら、

「お前食うな~」と野次を貰えるからだ。


愛されキャラは時にいじられキャラじゃないといけない。

天然ぶって食いしん坊キャラを勝手に演じればいい。


美人美人で気取るよりも、少し抜け感のある女の子の方が男ウケがいいと京子は考えている。


「ショック、2人の料理の腕がいいから私が侮辱されたんだけど!!」

にこにこ笑って声をかければそれで正解だ。


麻美も香奈も京子の事が大好きだ。

些細なことを見ていてよく褒めてくれるし、気遣いができる。

空気を和ませる京子の事が、可愛らしくて大好きで、友達でよかったとつくづく思っている。



女友達の評価を得てこそ、男ウケが得られるのだ。

女の噂話の威力は果てしないので、下手に嫌われてはならない。

つまり逆に言えば、女の噂話に“いい子”として乗っかればいいのだ。





京子は白い歯を見せ微笑んだ。